神田の下水道

2015年 02月15日

パッチワーク道路 いつまで?
 東京都には約15,500kmの下水道管が敷設されていますが、都心の大部分の下水道管は50年の耐用年数を過ぎているといわれています。下水道管が老朽化すると道路陥没や冠水、浸水等でいろいろな事故発生の危険があるため、2020年の東京オリンピックを控えて都内各地で配管の更新等の工事が進められているようです。
 フォーラムミカサ エコのある内神田一丁目地区は下水道整備の時期が早かったため、下水道管の老朽化が著しく、昭和7年(1932年)敷設の80年を経過した下水道管もあるそうです。そのため昨年の春頃から下水道再構築工事が行われています。
下水道工事 路面図下水道工事 ビル前  内神田一丁目地区は都心ですが、脇道を入ると意外にも住宅が多く、また最近マンションが増えつつあります。下水道工事は騒音を伴うため、この地区では生活している住民の安眠の妨げになる夜間工事は行われません。また平日も会社や商業施設に配慮してあまり工事を行わないようです。そこで土曜、日曜の昼間を中心に工事が行われています。近隣の利害を調整した行政側の配慮だと思います。
 ところが、当会場は土曜、日曜も営業しており、会場で行われるセミナー等ではある程度の静謐な環境が要求されます。近隣とは利害が一致しない異端の立場。数十年に一度行われるインフラにかかわる工事ですから、工事に協力することに吝かではないのですが、ときには騒音の大きい工事は現場の関係者にお願いして会場の利用が少ない平日に移動してもらうこともあります。

 下水道工事の案内板はよく見かけます。「3月31日まで」と書かれていましたので、工事はまもなく終わるものと最近まで思っていました。ところがよくよく見ると「平成28年3月31日まで」と書かれています。にじゅうは、は、はちね~ん??? 鬼が笑うという来年の話です。土曜日、日曜日中心の工事とはいえなんという長期間にわたる工事でしょうか。2年間かかる工事だと知り少し脱力感に襲われました。
下水道工事 ビル裏 下水道工事は連日行われず、下水道管取替工事、汚水枡の取替工事、管更生工事等いろいろな段取りがあるので、内神田一丁目地区の道路はあちこち掘ったり埋めたりでデコボコ、路面のアスファルトも切ったり貼ったりでつぎはぎ状態。人呼んで「パッチワーク道路」。できるだけ早く本舗装のきれいな道路に戻ることを願っています。
パッチワーク道路

東京都指定史跡「神田下水」 いまなお現役
 神田の下水道の歴史は古く、その始まりは明治にさかのぼります。
 明治15年(1882年)に東京の神田を中心にコレラが猛威を振るい、東京府下で5000名を超える死者が出ました。これがきっかけで衛生や都市環境を改善する必要を痛感した明治政府が東京府に通達を発し(水道溝渠改良ノ儀、明治16年)、これを受けた東京府が西欧の技術を取り入れて、明治17年(1884年)から18年(1885年)にかけて敷設した近代的な下水道が「神田下水」。
 初めて日本人の手で計画・設計(内務省技師石黒五十二氏設計)された画期的な国内インフラと言えるのではないかと思います。
 神田下水の断面を見ると、鳥の卵を逆さにしたような形の卵形管となっています。管内に流れる下水の量が少ないときでもある程度の水深が確保でき、流速を保てるためゴミが堆積しない合理的な構造だといわれています。
卵形管  
 管の内径は横幅61~91cm、高さ91~136cmで、人が入って点検できるようになっています。内壁はすべて耐久性に優れた赤煉瓦張。

 神田下水は当初神田駅周辺に4km造られたようですが、現在でも神田駅西口線路下(鍛冶町一丁目)から靖国通り手前の多町通り方面へ延びる614メートルが現役で、平成6年(1994年)に東京都の文化財(史跡)の指定を受けています。
下水埋設

 昨年の5月26日に敷設から130年を経たことを記念して神田下水の内部がマスコミに公開され話題を集めましたが、ここは普段は人が立ち寄らない暗渠(あんきょ)。光を当てなければ下水道の中がまるで見えない暗闇の中に存在する歴史的建造物です。
光で浮かび上がる神田下水  神田近辺での赤煉瓦の建造物は、東京駅・御茶ノ水駅間のJR中央線の約100年前にできた高架橋が有名ですが、それが完成するはるか前にできたもう一つの赤煉瓦の建造物が暗闇の中で活躍する「神田下水」。関東大震災や先の大戦の大空襲をくぐり抜けてきた、長期間の使用に耐えられるように造られた強靭な建造物に日本人の工夫と凄さを感じます。
下水モニュメント

  
 来る2月27日にJR神田駅西口の改札付近に「神田下水」の大型パネル(縦1m横1.5m)が設置されます。西口から会場に向かう方は是非ご覧ください。
神田下水 パネル  ※東京都、東京都下水道局、日本下水道協会のHPを参照しました。一部写真、画像を借用しました。

 「神田下水」マスコミ公開時の動画はこちらから 東京MXテレビ  http://youtu.be/6h3sKXH68v4

 <追記>2016-6-5

         卵形管を見かける
卵形管 富士見
 2ヶ月くらい前に自宅(埼玉県某市)近くを散歩している時、道路拡張工事の現場で卵形管を見かけました。
 道路側溝のようです。現在一般的なものか分かりませんが、水量が少ない時でも流速を高めて土やごみ等が堆積しない神田下水のような構造になっています。原点は神田下水ですね。上蓋がない一体型のため、この上を車が走ってもガタガタという騒音が発生しません。なるほど。進化しています。

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